データ提供サービス -About Pseudo People Flow-

擬似人流データとは
-About Pseudo People Flow-

擬似人流データとは、オープンデータとして公開される統計データと、建物データ等の低廉に入手可能な地理空間情報のみを用いることで全国総人口に対して典型的な日常の行動を表現する人流データです。このデータは、以前の「人の流れデータ」より、パーソントリップ調査範囲に限定されず、だれもが利用可能で、安定した精度を持ち、全国規模で整備されています。

本データセットは、以下の内容を含んでいます:

  1. 人口属性分布データ: 国勢調査を基に、個人属性(年齢、性別、職業、世帯構成など)とその分布を表現するデータです。
  2. 活動データ: 個々の人の1日中の行動内容を示し、活動開始時間、活動継続時間、活動目的、活動位置などの情報が含まれています。このデータは、複数都市圏のパーソントリップ調査データの統計値に基づき、差分化されています。
  3. トリップデータ:活動データを基に、個々の人の1日中のトリップ(移動)に関する情報が提供されます。個人ID、出発時間、出発位置、目的地位置、交通手段、移動目的などの情報が含まれます。
  4. 軌跡データ:トリップデータを基に、個々の人の1日中の移動軌跡が示されます。個人ID、時刻、経度、緯度、交通手段、活動目的、(該当)リンクIDなどの属性が含まれます。
  5. 動的人口分布データおよび交通量データ:軌跡データを基に、6分ごとに500mメッシュレベルでの人口分布データと、1時間ごとに道路ネットワーク上のリンク交通量データが提供されます。

最新版 (ver2.0) の特徴

2023年に提供された「擬似人流データ ver2.0」では、いくつかの大幅な改善が行われました。具体的には、2015年国勢調査データから2020年国勢調査データに更新し、POI属性を活用して目的地選択の精度を向上させ、さらにバスの利用が可能となり、経路選択においてバスルートも考慮されるようになりました。また、移動コストに基づいた交通手段の推定モデルも導入され、現実に即した交通手段選択が実現されています。

このデータセットは、全国1724市区町村を網羅し、1.2億人分の擬似人流を再現した世界初の試みであり、携帯電話データとの高相関(0.81)を実現しています。これにより、公衆衛生、都市計画、位置情報サービスなど、さまざまな分野でのデジタルツインのシナリオ分析においても活用できる、使いやすい人間の移動シミュレーションツールを提供しています。

データの詳細は、全国擬似人流データ仕様書ver2.0を参照してください。

データの解凍方法について

「擬似人流 軌跡データ」は、非常に大容量のデータです。そのため、JoRAS経由で提供される際には、ファイルが分割された形で提供されています。これにより、データのダウンロードや管理が容易になります。しかし、分割されたファイルは、使用前に結合し、解凍する必要があります。以下に、各OSでの分割ファイルの解凍方法を説明します。

Windowsの場合

Windowsでは、分割されたファイルを再結合して解凍するには、7-ZipやWinRARのようなツールを使用します。

  1. 分割ファイルを確認:
    • すべての分割ファイル(例: trajectory_foldername.part00, trajectory_foldername.part01 など)が揃っていることを確認します。
  2. 7-ZipまたはWinRARで結合・解凍:
    • 分割ファイルの最初のファイル(例: trajectory_foldername.part00)を右クリックし、7-ZipまたはWinRARで「ここに解凍」または「Extract here」を選択します。
    • これにより、ツールが自動的にすべての分割ファイルを結合し、解凍します。
macOSの場合

macOSでは、ターミナルを使用して標準のコマンドを利用して結合と解凍を行います。

  1. 分割ファイルの結合

ターミナルを開き、以下のコマンドを実行して分割ファイルを結合します:

cat trajectory_foldername.tar.gz.part* > combined_trajectory_foldername.tar.gz

2. ファイルの解凍

以下のコマンドで結合したファイルを解凍します:

tar -xzf combined_trajectory_foldername.tar.gz -C /path/to/extract/folder

/path/to/extract/folderには、解凍したデータの保存先のディレクトリを指定します。

Linuxの場合

LinuxもmacOSと同様にターミナルで作業します。

  1. 分割ファイルの結合

以下のコマンドで分割ファイルを結合します:

cat trajectory_foldername.tar.gz.part* > combined_trajectory_foldername.tar.gz

2. ファイルの解凍

以下のコマンドを使用して結合されたファイルを解凍します:

tar -xzf combined_trajectory_foldername.tar.gz -C /path/to/extract/folder

論文情報

このデータセットの構築に関する詳細は、以下の論文にてご覧いただけます。

Takehiro Kashiyama, Yanbo Pang, Yuya Shibuya, Takahiro Yabe, Yoshihide Sekimoto. Nationwide synthetic human mobility dataset construction from limited travel surveys and open data. Computer-Aided Civil and Infrastructure Engineering. Available 10 June 2024 online. https://doi.org/10.1111/mice.13285

図1 擬人人流データのイメージ。(上:全国レベルリンク交通量の可視化 下(左):メッシュ人口分布 下(右)リンク交通量)

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